To CLASSIC ちょろ聴き

CLASSIC ちょろ聴き(20)


図書館で借りましたR.Strauss 交響詩「ツァラ」「英雄の生涯」〜小澤征爾/ボストン響(1981年)
(音楽日誌より転載)ああ、なるほどね。これはよくできた演奏だ。正確で、カタのチカラが抜けて、強引なところがない。わかりやすい。手練れの包丁使いが、道具の重みだけで刺身を切るような味わいがある。オーケストラは上質・上等、厚みもコクも有。但し、あまりにテンションが低いんじゃ?と時に思うこともあった〜もう20年以上前の録音か。オーケストラの力量を上手に生かしたような演奏で、威圧感がないところは買える。でも、Very Bestじゃないでしょ。ナマで聴くと、きっと感銘深いのか、と想像されます。もっと燃えるような演奏を!(2003年8月30日)

HUNGAROTON  HRC 059   250円で購入Tchaikovsky イタリア奇想曲、弦楽セレナード、幻想序曲「ロメオとジュリエット」〜ジュラ・ネーメト/ハンガリー国立管(録音年不明)
指揮者は1930年生まれハンガリーのヴェテラン。こういう録音の少ない人のCDは看過できず。想像以上にアンサンブルもオーケストラの厚みもしっかりしてます。音も悪くない。弦楽セレナードは明るく、憧れの表情がよく出た演奏でしょう。他二曲の管弦楽曲も手堅い演奏で、オーケストラもよく鳴っているが大爆発迄いかず。「ロメ・ジュリ」は途中テンションも落ちるところも。でも、全体としては大健闘か。昔懐かしいWHITELABELシリーズ。たしか1980年代、1500円の「廉価盤」だったはず。SANYO製の逆輸入盤。(2003年8月26日)

NAXOS 8.554760  250円で購入Piazzolla ギターのための五つの小品、フルートのためのタンゴ風練習曲、フルートとギターのためのタンゴの歴史〜トッパー(fl) ガイド(g)(1998年録音)
ピアソラは、クレーメルとかマが取り上げて一時話題になりました。廉価盤でも出たことはあるんです。とても静謐で、哀愁の旋律連続して泣けます。激しいリズムを想像されると、ちょっと外れていて、もっと落ち着いた、味わいのある音楽です。とくに「タンゴ風練習曲」はフルート・ソロとしては出色の名曲で、Bach 、Debussyに迫る魅力有。こういう録音をしてくださるNAXOSは偉い。ジャンル分けの無意味さを雄弁に語って、掘り出し物の一枚(中古で買ったけど)。(2003年8月14日)

NAXOS 8.550743  880円?で購入Nielsen 交響曲第4/5番〜リーパー/アイルランド国立響(1992年録音)
名曲「不滅」。これだけ聴いていたら、爽やかな旋律の佳曲と思うが、オーレ・シュミット/ロンドン響盤を聴いたらすべてが氷解!って、じつは金管バリバリ・ド迫力、打楽器の個性的大活躍激絡合熱血大傑作だったんじゃない。リーパーさんには悪いけど、おとなしくて、小さくまとまっていて、ややヘロっとして、まるで別な曲を聴くかのよう。でも全曲3枚買ってあるからちゃんと聴きましょう。これはこれで見所はあるっ!はず。打楽器バラバラな印象だとしても。(2003年8月7日)

RCA 74321 32240 2  2枚組990円で購入Mozart 歌劇「魔笛」 K.620 全曲〜スウィトナー/シュターツカペレ・ドレスデン/アダム(ザラストロ)、シュライヤー(タミーノ)、ゲスティ(夜の女王)、ドナート(パミーナ)、ライブ(パパゲーノ)、ホフ(パパゲーナ)、フォーゲル(モノスタトス)(1970年録音)
ああ、美しい。ドレスデンのオーケストラがシミジミ深くて、やっぱりステレオのほうが聴きやすいに決まっている。全体として夢のあるお伽噺的雰囲気に溢れて、楽しいもんです。声楽シロウトのワタシでも知っている名手ばかり揃えて、シュライヤーの凛々しさ全盛期か?アダムの貫禄言わずもがな。夜の女王は、誰かのイメージがあるのかな?どうも、理想とは違ってキンキンし過ぎちゃう。但し、コレ、手持ちの数種のCDすべてそう思えるから不思議。なんと素晴らしき名旋律の連続か。(2003年8月7日)

イタリアVIRTUOSO 2699192-1/2/3   3枚組3,000円で購入したはずMozart 歌劇「魔笛」 K.620 全曲〜フルトヴェングラー/ウィーン・フィルハーモニー/グラインドル(ザラストロ)、デルモータ(タミーノ)、リップ(夜の女王)、ゼーフリート(パミーナ)、クンツ(パパゲーノ)、ローゼ(パパゲーナ)、クライン(モノスタトス)(1951年8月1日ザルツブルク・ライヴ)
荒唐無稽なる娯楽作品だと思うけど、フルトヴェングラーの表現は格調高いんですよ。序曲から「劇的ド迫力!」状態。荘厳なる儀式みたいな味わい溢れて、そのメリハリ、細部の彫琢、燃えるような情熱、推進力〜こんなテンション高い音楽は滅多になし。ま、音質はそうヨロシくもないが、会場聴衆の反応や息遣いもちゃんとわかる。グラインドルの圧倒的存在感の渋さ、ヘロ王子のハズのデルモータの凛々しいこと。リップ(当時25歳)は声が硬くまだ若いと思う。(誰でも知っている「夜の女王のアリア」でっせ。コロコロの)台詞は歌い手本人?ドイツ語が妙に明快。(意味は知らんが)この作品はまだまだ勉強中。(2003年8月6日)


【♪ KechiKechi Classics ♪】

●愉しく、とことん味わって音楽を●
▲To Top Page.▲
written by wabisuke hayashi